3.11を風化させない | - 2018/09/11
- 2011年3月11日、東日本大震災。死者・行方不明者は1万8,434人、建築物の全壊・半壊は40万2,699戸、避難者は40万人以上に達した。だが、この大震災による悲劇は地震・津波による被害にとどまらなかった。福島第一原子力発電所1 - 4号機がメルトダウン(炉心溶融)や建屋爆発事故などが続けて発生し、チェルノブイリ原発事故と同じレベル7に分類される重大事故を引き起こした。繰り返された「原発安全神話」など木っ端微塵に吹き飛んだ。
双葉町元町長・井戸川克隆氏によれば、津波の少し前、3月3日、3月3日に地震・津波のあることを日本政府は知っていたそうだ。だが政府、東京電力、東北電力、日本電源はそれぞれの思惑から公表することを止めただ。事実だとすれば、彼らは地震・津波・原発事故の加害者、協力者ということになろう。否、犯罪者である!
あれから7年半、3.11の悲劇を想い出すはずの自然災害が続いた。地震そして台風で、多くの人も建物も大きな被害を受けた。そして、今度は北海道が。40名の方々がお亡くなり建物も道路も壊され、全域に渡る停電が起こった。交通機関、水道、およそ生活に関わる全てが機能を止めた。巨大発電所への一極集中がもたらす恐怖をまざまざと見せつけられた。これが原発だったらと、誰もが3.11を想起したはずだった。
にもかかわらず、停電の最中に起こったのは、原発待望論であった。ホリエモンなどのカネ亡者、経済効率一辺倒の自称合理主義者、電気の便利さだけを強調する一部国民が声を上げ始めた。だから、原発があれば停電を防げたのだと!
政府はと言えば、あの安倍ネオファシスト・単純軍国主義者は、ドンキホーテよろしく仮想敵のために惜しげもなく防衛費を膨らませたにも関わらず、北海道には震災対策費として僅かに5億円だけを出し、例によって「災害対策に全力を挙げる」と、これまでどの災害時においてもまともに取り組んだことのない嘘八百を並べてロシアに逃亡した。もちろん、将来起こりうるであろう泊(とまり)原発事故の危険性など一顧だにしなかった。
日本は、知られているだけでも2000もの活断層があり、この10倍もの見えない活断層の存在が予想されている。いつ、どこで、大きな地震が起こっても不思議ではない。にもかかわらず、北から南まで54基の原発が存在し7基が稼働し、残りが再稼働を待っている。その多くは知られている活断層のすぐ近くに立地している。この狭い国土、地震大国に世界で3番目に多い原発が置かれている事実を、そして地震、台風の度に福島原発事故の再現があっても不思議でないことを直視すれば、どうして出てくる答えが「原発再稼働、原発推進」になるのだ!
原発がなくても暑い夏を乗り切り、格段の支障はなかった。稼働している7基を止めても大きな影響などない。政権者の一声でそれは可能だ。すでにドイツがそれを実現している。恐れるのは、有力視されている原発村の負託を受けている安倍政権の長期化により、原発がさらに推進されることだ。心ある国民諸氏よ、電気の便利さ、地元への恩恵だけで安直に原発を認める事なかれ! 思想が左であれ、右であれ、真ん中であれ、今こそ原発を否定する勇気を持とう!
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