坂本龍馬気取りの先に... | - 2012/09/13
- このところ天候の話から始まることが多いが、今日の函館は最高気温が28度に上った。50日連続真夏日(最高気温30度以上)の埼玉県熊谷市とは比較にはならないが、すっかり暑さへの耐性を欠いた「北海道人」としては、この連日の暑さは相当に身に堪えている。しかし、遠慮しているかのようにだが、秋は近づき始め、朝、晩の風の清々しさにほっと和んでしまう。頑張れ、秋!
さて、橋下某が率いる「維新の会」に注目が集まっている。ひょっとしたら次期衆院選では第一党になるのではないかという見方も出始めた。坂本龍馬の「船中八策」ならぬ「維新八策」の踏み絵を前に、現職の国会議員が傅く様子に異様さと共に滑稽さすら感じてしまうのは自分だけであろうか。 無党派である自分は、どの政党が第一党になるかにはほとんど関心はないのだが、「維新の会」に極めて危険な兆候を垣間見る。
1.「強さ=数(カズ)」を標榜し、社会的弱者に強圧的である。 2. 善か悪か,敵か味方かという二価値判断が認められる。(維新八策を認めるか否か) 3. 思考が紋切り型のステレオタイプである。 4. 理想に対しては冷淡で「リアリズム」をことさらに強調する。
ざっと、並べてみて、ナチス=ヒットラーの「権威主義」を受け入れた大衆の心理を分析した哲学者のテオドール・アドルノを思い出す。 また、同様にファシズムを生んだ大衆心理を「権威主義的パーソナリズム」と喝破し、大衆が「自由からの逃走」によって、全体主義=権威主義に全権を委ねてしまったかつてのドイツを指弾したフロイト左派のエーリッヒ・フロムを想起せざるを得ない。
二人はまた、権威主義の到来の先にあるのは、権力者への自虐的な従順と、弱き者への他虐が待ち構えていることを警告した。すなわち、異常なまでのナチズムへの傾倒と、残虐極まりないユダヤ人撲滅を。
願わくは、国民が「改革」の夢と政治的・思想的・社会的自由の重みに耐えかねて、また、忍耐をすっかり放棄して、「新たな権威」の魅力にそれを売り渡すことがないように。
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