最新大学受験・教育ニュース

2018/05/29
中高生の英語力 上昇傾向も目標に届かず
全国の公立中学校・高校の生徒の英語力を調べた 2017 年度「英語教育実施状況調査」を、文部科学省が公表した。
中学校3年生で「実用英語技能検 定(英 検)3級程 度」以 上のレベルに達したのは、16 年度より4.6 ポイント上昇の 40.7%。
高校3年生で「英検準2級程度」以 上は16 年度より2.9 ポイント上昇の39.3%となったが、17 年度までにそれぞれ50%にするという政府目標は達成できなかった。
「英語教育実施状況調査」は13年度に始まり、今回で5回目となる。調査結果には、中3で英検3級、高3で準2級以上を取得した生徒のほか、
取得していなくても定期テストの結果などを基に教員の裁量で「相当の力がある」と認められた生徒も含まれる。
 中学校は都道府県と政令指定都市、高校は都道府県ごとの結果も公表された。中3では、8都県市が初めて目 標を超えた。福井県が62.8%と大きく目標を超え、
東京都、石川県、さいたま市、横浜市、大阪市、福岡市、熊本市も目標をクリア。高3では、福井県が 52.4%と唯一 50%を超えた。
 英語担当教員の英語力も調査された。その結果、大学中級程度とされる「英検準1級以上」の英語力を示す資格を持つ教員の割合は、中学校で33.6%、高校では65.4%と、
中学校 50%、高校 75%という政府の目標にはいずれも届かなかった。
 文科省は、今回達成できなかった目標を、生徒、教員のいずれも22 年度までの5か年に持ち越す方針だ。
[学研CAIスクール 2018年5月23日]
2018/05/28
デジタル教科書を正式な教科書に…改正学校教育法が成立
デジタル教科書を正式な教科書に位置付ける「学校教育法等の一部を改正する法律案」が平成30年5月25日、参議院本会議で全会一致で可決、成立した。平成31年4月1日の施行を予定している。

 現行の学校教育法では、小学校、中学校、高校などの授業では、紙の教科書の使用が義務付けられている。学校教育法の一部改正によって、検定済教科書の内容を電磁的に記録した「デジタル教科書」がある場合は、教育課程の一部において、通常の紙の教科書に代えて「デジタル教科書」を使用できるようになる。

 ただし、視覚障害、発達障害などの事由により通常の紙の教科書を使用して学習することが困難な児童生徒に対して、文字の拡大や音声読み上げなどによってその学習上の困難の程度を低減させる必要がある場合には、教育課程の全部において、通常の紙の教科書に代えて「デジタル教科書」を使用できることとする。

 また、特別支援学校や工業高校など高等学校の専門教科などにおいて、検定済教科書がない場合に使用する図書についても同様に、その内容を電磁的に記録した教材を使用できる。

 デジタル教科書を正式な教科書に位置づけることにより、平成32年度(2020年度)から実施される新学習指導要領を踏まえた「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善や、障害などにより教科書を使用して学習することが困難な児童生徒の学習上の支援に繋げる。なお、紙の教科書は引き続き給付する。
[リセマム 2018.5.28 Mon 11:30]
2018/05/25
福島大学は、2019年4月に全学再編を行うことを発表した。
食料・農業・農村問題を実践的に学ぶ「食農学類(仮称)」を新設するほか、既存4学類についても見直し、大学全体の教育改革に取り組む。

 福島大学では、東日本大震災以降、被災地のフィードワークや地域おこし、自然再生エネルギー人材育成などに取り組んできた。2019年度の再編では、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故後、福島の食の安全と農業の再生・復興への期待が高まっていることを受け、「食農学類(仮称)」を新設。食と農の課題に主体的・創造的に取り組むリーダーを養成する。

 「食農学類(仮称)」は、食と農をつなぐ農学専門教育を行うため、「食品科学」「農業生産学」「農業経営学」「生産環境学」の4コースを設置。福島県全域をフィールドとして、自治体や農業関係機関、企業などと密接に連携しながら、地域の課題解決を目指すなど、実践型の教育を行う。

 このほか、既存の「人間発達文化学類」「行政政策学類」「経済経営学類」「共生システム理工学類」についても、それぞれの強みや特色を深化させるため、改編を実施。「人間発達文化学類」は現行の3専攻を7コース、「行政政策学類」は現行の3専攻を2コース、「共生システム理工学類」は現行の3専攻を9コースに改編。「経済経営学類」には、経済学コース、経営学コース、グローバル・エキスパート・プログラムを設定する。

 福島大学では2013年7月、東京電力福島第一原子力発電所の事故で放出された放射性核種の環境中の挙動を長期間にわたって調査・解析し、解明することを目的に環境放射能研究所を設置している。2019年4月には、大学院共生システム理工学研究科において、環境放射能学専攻の設置も計画している。

 大学全体の入学定員は、改編前後で変わらず、合計945人。改編後の学類別の入学定員は、人間発達文化学類260人、行政政策学類205人(昼間185人、夜間主20人)、経済経営学類220人、共生システム理工学類160人、食農学類100人。入学者選抜要項は、7月中旬に公表される。
[リセマム 5/24(木)14:45発信]
2018/05/11
杉並区・早稲田大学が協定締結、外国語教育で連携
 東京都杉並区教育委員会と早稲田大学教育・総合科学学術院は2018年5月9日、教育・研究活動を相互支援・協力するための協定を締結した。小中学校における外国語教育の充実を目指し、連携を深めていく。将来的には、外国語教育以外の分野にも連携拡充を予定している。

 杉並区では、2020年度から小学校の英語が必修となる新学習指導要領の趣旨などを踏まえ、小中学校9年間を通して系統的に外国語教育を実施していこうと、小学1〜4年を入門期、小学5〜6年を基礎期、中学校を充実期として整理。外国人英語指導助手(ALT)や日本人英語指導助手(JTE)の配置などにより、「読む」「聞く」「書く」「話す」という英語4技能を総合的に育成していくことを目指している。

 今回、早稲田大学教育・総合科学学術院との協定締結により、英語英文学科を中心に連携を深め、外国語教育のさらなる充実を目指す。杉並区では、今回の協定について「区で目指す英語教育の推進力となる」と評価している。

 具体的には、早稲田大学教員が専門知識を生かし、小学校英語の教科化への対応、発音に特化したeラーニングなどについて教員研修を実施。教員の指導力、児童生徒の資質・能力の向上を図っていく。小中学校の英語活動では、児童生徒と年齢が近い学生がかかわることで、ALTやJTEとは異なる触れ合いが期待されるという。また、早稲田大学側は、教育現場での体験を通して、学生に職業意識を培い、大学での学びの充実を目指す。

 将来的には、外国語教育にとどまらず、さまざまな教育活動や他教科にも連携を広げていく予定。高校教育や大学教育、大学入学者選抜の抜本的な改革なども視野に入れている。

 杉並区ではこれまで、外国語教育担当者研修の講義・演習を教育学部英語英文学科教授陣が担当し、中学生海外留学事前学習会の英会話グループワークを学生が補助指導するなど、早稲田大学と協力関係にあった。

[リセマム 5/11(金) 11:45配信]
2018/05/10
文系学生が選ぶ「就職人気ランキング」
 大学入試では文系人気が続いており、大規模な私立文系を中心に、志願者数を増やしている大学が多い。定員厳格化で大規模大学の難易度が上がり、併願を増やす受験生が多くなったというのもあるが、景気の好転で、文系学生の就職率が上がっていることが大きい。


 リクルートキャリア・就職みらい研究所の「就職プロセス調査」によると、2018年卒大学生の卒業時点の内定率は、文系96.5%、理系97.1%。5年前の2013年卒の同時期の内定率が文系87.1%、理系91.8%とかなり差が開いていたことを考えると、文理の差は少なくなっている。
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ではそんな文系学生が注目する企業はどこか――。4月20日配信の「学生2万人が選ぶ『就職人気ランキング 』 300社」で、就活生が行きたいと考えている上位300社を紹介したが、今回は対象を文系学生に絞った、「就職人気ランキング・文系学生版」の上位100社を紹介していく。

■就職率好転で文系学部の需要高く

 このランキングは、文化放送キャリアパートナーズ就職情報研究所が実施した、「就活ブランドランキング調査」を基にしたもので、調査対象者は、同社の就職サイト「ブンナビ!」に登録している、現在就活中(2019年春卒業・修了予定)の大学生や大学院生だ。調査期間は就活の前半戦の時期にあたる、2017年10月1日から2018年3月31日までとなっている。なお、ランキング表に2019年卒・前半の総合順位と、昨年の同じ時期に調査した(2018年卒の)文系順位を掲載している。
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 結果を見ていこう。

 1位は昨年3位の全日本空輸(ANA)、2位は昨年9位の日本航空(JAL)という順で、総合順位と同じ並びになった。

 昨年までは文系のメガバンク人気が根強かったが、今年は様相が少し異なっている。

 昨年の文系順位は1位三菱UFJ銀行、2位みずほフィナンシャルグループ、3位ANAだった。それが、3位だったANAが首位に躍り出て、国内の2大エアライン会社がワン・ツーを奪取。要因は、2020年の東京五輪の開催や、インバウンド(訪日外国人旅行客)の増加で、エアライン業界を成長企業と評価し、志望する学生が多くなっているからと思われる。


 一方、メガバンクは、人員削減方針や採用数の削減などが伝えられており、文系学生の”テッパン人気”から一歩後退した状況だ。そうしたメガバンク票の一端が、航空・旅行業界やメガバンク以外の金融などへと、分散したのかもしれない。

■3位にりそな、メガバンク以外の金融に人気

 その受け皿になったのが、3位にランクインしたりそなグループだろう。昨年の文系順位は14位だったので、かなりのジャンプアップだ。

ランクアップの要因として考えられるのは、採用数を大きく減らしていないこと。同グループの採用はりそな銀行、埼玉りそな銀行の合同となっているが、2017年11月28日配信の「最新版『新卒を多く採用する会社』トップ200」を見ると、昨年(2018年卒)の採用からメガバンク勢が採用数を減らしている中、りそなグループ(表記は「りそなホールディングス」)は、逆に採用数を増やしている。さらに、採用実績校や残業時間といった、ほかの銀行が出さない情報についても開示する姿勢があり、そうした点も学生に評価されたのかもしれない。
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 4位には昨年文系順位2位のみずほフィナンシャルグループが入り、5位日本生命保険、6位野村證券、7位大和証券グループと、金融業界の会社が続く。昨年1位の三菱UFJ銀行は9位とトップ10には踏みとどまった。

 それ以外のトップ10には、8位にJTBグループ、10位ANAエアポートサービスが入り、トップ10は金融業界か、航空・旅行業界のいずれかになっている。

 おおむね総合順位と変わらないのが文系順位の傾向だが、総合順位との差から、「より文系に人気のある企業」について探してみた。15位のバンダイ(総合37位)、33位のホテルやレストランなどを運営するPlan・Do・See(総合117位)、51位の婚礼施設運営のエスクリ(総合178位)、56位ニュー・オータニ(総合91位)などが挙げられ、ホテル・レジャー系の台頭が目立つ。

[東洋経済ONLINE 5/8(火) 6:00配信]
2018/05/09
【大学受験2019】Y-SAPIX、医学部入試の変更点…AO導入など
 SAPIX YOZEMI GROUPの医学部入試情報サイト「医学部研究室」は2018年5月2日、「2019年度国公私立大学医学部・医学科」「2020年度国公立大学医学部・医学科」の変更点について、最新情報を掲載した。特色入試やAO入試の導入など、変更内容を一覧にしている。

 「医学部研究室」が掲載・更新したのは「2019年度私立大学医学部・医学科」「2019年度国公立大学医学部・医学科」「2020年度国公立大学医学部・医学科」の変更点。募集する区分や定員、配点比率、科目などの変更内容をまとめている。

 「2019年度私立大学医学部・医学科」では、日本医科、関西医科、兵庫医科の3大学について掲載。日本医科大学は一般後期でセンター試験の国語を利用する一般後期セ試併用、兵庫医科大学は英語外部試験を利用する一般B(高大接続型)を2019年度入試から新たに実施する。関西医科大学は、従来の推薦入試に代わり、学校推薦を実施するほか、特色入試(英語型・国際型・科学型)を導入する。

 「2019年度国公立大学医学部・医学科」は、筑波、浜松医科など、13大学の変更点を紹介。このうち、大阪市立大学では、前期日程の地域医療枠を廃止し、2019年度入試に推薦入試(地域医療枠)とAO入試(一般枠)を新設。徳島大学でも新たにAO入試を実施する。香川大学では、推薦入試の中に県民医療推薦枠を設置し、推薦入試と県民医療推薦枠の併願を可能にする。

 「2020年度国公立大学医学部・医学科」は、福島県立医科、筑波、大阪、鳥取の4大学を載せており、このうち福島県立医科大学と鳥取大学では2020年度入試から後期日程を廃止する。

 各一覧は、「医学部研究室」から閲覧できる。なお、最終的な変更内容は募集要項で確認すること。

[リセマム 5/8(火) 13:45配信]
2018/05/09
【大学受験2019】Y-SAPIX、医学部入試の変更点…AO導入など
 SAPIX YOZEMI GROUPの医学部入試情報サイト「医学部研究室」は2018年5月2日、「2019年度国公私立大学医学部・医学科」「2020年度国公立大学医学部・医学科」の変更点について、最新情報を掲載した。特色入試やAO入試の導入など、変更内容を一覧にしている。

 「医学部研究室」が掲載・更新したのは「2019年度私立大学医学部・医学科」「2019年度国公立大学医学部・医学科」「2020年度国公立大学医学部・医学科」の変更点。募集する区分や定員、配点比率、科目などの変更内容をまとめている。

 「2019年度私立大学医学部・医学科」では、日本医科、関西医科、兵庫医科の3大学について掲載。日本医科大学は一般後期でセンター試験の国語を利用する一般後期セ試併用、兵庫医科大学は英語外部試験を利用する一般B(高大接続型)を2019年度入試から新たに実施する。関西医科大学は、従来の推薦入試に代わり、学校推薦を実施するほか、特色入試(英語型・国際型・科学型)を導入する。

 「2019年度国公立大学医学部・医学科」は、筑波、浜松医科など、13大学の変更点を紹介。このうち、大阪市立大学では、前期日程の地域医療枠を廃止し、2019年度入試に推薦入試(地域医療枠)とAO入試(一般枠)を新設。徳島大学でも新たにAO入試を実施する。香川大学では、推薦入試の中に県民医療推薦枠を設置し、推薦入試と県民医療推薦枠の併願を可能にする。

 「2020年度国公立大学医学部・医学科」は、福島県立医科、筑波、大阪、鳥取の4大学を載せており、このうち福島県立医科大学と鳥取大学では2020年度入試から後期日程を廃止する。

 各一覧は、「医学部研究室」から閲覧できる。なお、最終的な変更内容は募集要項で確認すること。

[リセマム 5/8(火) 13:45配信]
2018/05/07
【大学受験】弱点と課題を発見、東進「全国統一高校生テスト」6/17
 東進は2018年6月17日、高校生対象の模試「全国統一高校生テスト」を実施する。テストは、受験学年部門・高2生部門・高1生部門の3部門。受験学年部門を受験した高校生のうち、成績優秀者は7月16日に行われる決勝大会に招待される。参加無料。事前予約制。

 東進が実施する「全国統一高校生テスト」は、学力を測るだけではなく学力を伸ばすための模試。自分の得点率と2017年度第1志望校合格者の同時期の得点率を比較することで、自分の弱点ややるべき課題が明確になり、学力を伸ばすヒントが得られるという。

 試験実施後は、東進の講師陣による合格指導解説授業を受講できる。映像授業の個別受講のため、自分のスケジュールにあわせて日程・科目を選択可能。受講を希望する場合は、受験校舎にて申し込むこと。

 なお、試験実施後は当日に解答解説集がWebサイトで提供され、7日後には個人成績表が返却されるため、すぐに復習に役立てることができる。結果の一部は、4日後にWebサイトで確認できる。8日後より、Webサイトにて復習ツール(講評・リスニング音声)も公開される。

 テストは、全学年対象の「受験学年部門」のほか、今回から新設された高2生対象の「高2生部門」、高1生対象の「高1生部門」の3部門で実施。受験学年部門での成績優秀者を対象に、7月16日に行われる決勝大会に招待する。決勝大会成績優秀者には表彰状を授与し、東進ドットコム上で公表する。

 さらに、決勝大会の成績をもとに候補者を選抜し、人物評価面接で資格に足りると判断された生徒は、「米国大学留学支援制度」の対象者として認定され、最大28万ドル(約3,000万円、年間7万ドル×4年分)の奨学金が給付される。

 参加費は無料。申込みは、東進のWebサイト「東進ドットコム」内申込フォームにて受け付けている。

◆全国統一高校生テスト
日時:2018年6月17日(日)
会場:東進ハイスクール・東進衛星予備校各校舎、東進公認会場、早稲田塾各校舎
対象:高3生・高2生・高1生
参加費:無料
申込方法:東進のWebサイト「東進ドットコム」内申込フォームから申し込む

[リセマム 5/7(月) 13:15配信]
2018/05/01
英検新方式は「英検2020」名称決定、2019年度スタート
 日本英語検定協会は2018年4月27日、実用英語技能検定(英検)の新方式の名称を発表した。公開会場実施(仮称)は「英検2020 2days S-Interview」、1日完結型(仮称)は「英検2020 1days S-CBT」。2019年度より実施する。

 文部科学省は2017年7月、2020年度より実施する「大学入学共通テスト」の英語試験において、「4技能評価を導入し、外部の資格・検定試験を活用すること」を発表した。日本英語検定協会は2017年12月、成績提供システムへの参加を大学入試センターに申請。2018年3月、英検CBT、TEAP、CBT、IELTS(Academic Module)のほか、新方式である英検(公開会場実施、1日完結型)が成績提供システムの参加要件を満たすと確認された。

 新方式の「英検2020 2days S-Interview(英検2020 S-Interview)」「英検2020 1days S-CBT(英検2020 1day)」は、いずれも入試を控える受験生を対象としており、合否に関わらず4技能すべてを測定する。2019年度より実施され、日程や運営、会場数など詳細は、決定次第発表する予定。

 また、成績提供システムの参加要件を満たさないとされた従来型の英検について、日本英語検定協会は「今までどおり引き続き利用できる」との声明を発表。2020年度までと、「共通テスト」が施行されたあとも、「成績提供システム」を介さないAO入試や個別入試において、公開会場や準会場で受験可能な従来の英検はそのまま利用が継続、もしくは拡大するものと思われるとしている。

[リセマム 5/1(火) 11:15配信]
2018/04/29
本当に人気の私大は? 「実志願者数」1位は明治、2位はわずかの差で…〈週刊朝日〉
 文系を中心に私立大の人気は高まっている。志願者が10万人を超えるところもあるが、これはのべの数字。併願をカウントしない「実志願者数」は、これまで非公表のところが多かった。本誌は主要私大に問い合わせ、今回初めてまとめた。私大の人気の“実力”を見ていこう。

「近年、私立大の志願者数は大きく膨らんでいた」

 こういうのは大学通信の安田賢治常務だ。今年の入試におけるのべ志願者数では、近畿大が15万人を突破。法政、明治、早稲田、東洋、日本の各大学が10万人を超えている。

 大学通信によると近畿大の15万人超えは18歳人口が約205万人とピークを迎えていた1992年の早稲田大以来。その当時でも10万人超えは早稲田、明治、日本の3大学だけだった。

「少子化で18歳人口は約118万人まで減った。それにもかかわらず私立大の志願者数は12年連続で増加してきた」(安田氏)

 背景には、私立大が併願制度を充実させてきたことがある。かつての大学入試は、学部・学科ごとに1回しか受けられない「一発勝負」だった。今では大学入試センター試験の結果を使った「センター利用入試」や、一度の試験で複数の学部の合否を判定する「統一入試」が広まった。「試験日自由選択制度」によって、同じ学部・学科を複数回受けることもできる。

 受験料は1回あたり3万5千円ほどで何回も受けると負担が重いが、「併願割引」を導入しているところも。受験生にとってはチャンスが増え、実力を発揮しやすくなる利点がある。

 大学側にとっても併願によってのべ志願者数が増えれば、自校の人気をアピールできる。こうして併願制度の充実を巡る大学間の競争が激しくなっていた。大学関係者からは「いまののべ志願者数は実態を表していない」という声もある。

 そこで編集部では主な私立大について、併願の数を含まない「実志願者数」を調べた。実志願者数の定義は文末に示している。同志社大は定義と異なる数字のため「非公表」とした。

 実志願者数の順位では明治大が6.1万人でトップ。わずかな差で法政大が続き、その後は日本、早稲田、東洋の各大学だ。

 実志願者が最も増加したのは前年比123%の成城大。入学センターの担当者は増加の要因についてこう語る。

「受験生を確保するために広報活動に力を入れている。高校の担当者と直接会うと相手の印象に残る。北海道や福岡の高校を訪ねるなど、地道に取り組んでいる」

 その次は同117%の大東文化大。看護や歴史文化、社会の各学科を新設したことも影響した。

「新設学科の頭文字をとって、『大東文化大学に「カ・レ・シ」ができます』とテレビなどで広報したことも受験生に受け入れられた」(入試広報課の担当者)

 前年比115%の東京都市大では学内に「入学センター」を設置するなど、広報活動に取り組んだ。

「支持を受け続けるためには、大学の軸となる教育と研究が、土台として安定していることが前提であり要」(担当者)

 ここ3年間の増加数で見ると、東洋大が8769人で最も多く、法政大が7564人と続く。両大学とも教育改革や広報に力を入れていることで知られる。東洋大の加藤建二入試部長はこう話す。

「実志願者数を伸ばすには、その大学に入りたいという学生を増やさないといけない。取り組みやビジョン、学生をどう育てているのかなど大学の中身が問われる」

 募集人員や学部数などは各大学で異なるため、実志願者数が多いところが少ないところより人気だとは、必ずしも言えない。慶應義塾大は早稲田大より少ないが、難易度では勝る学部もある。実志願者数は一つの目安として見てほしい。

 併願の状況を示す新たな指標として、のべ志願者数を実志願者数で割った「併願率」も出してみた。

 最も高かったのは千葉工業大の536%。学科併願の受験料を無料にし、複数試験日の併願料を割り引くなど、早くから制度改革に取り組んできた。

「理工系では機械工学とロボット工学など関連している学科が多い。それらを併願していくと高額な受験料になるので、負担を軽減してきた。併願制度を充実させることで、のべ志願者数だけでなく実志願者数も以前より増えています」(入試広報部の担当者)

 次いで高かったのは500%の近畿大だ。得意科目がある受験生が有利になる「高得点科目重視方式」や、一つの試験で学部内の学科を複数併願することができる「学部内併願方式」などがある。加藤公代広報室長はこう強調する。

「受験生にできるだけチャンスを与えるため、併願制度を充実させてきた。学部も全部で14あり、学部間の複数併願も多い。のべ志願者数だけでなく実志願者数も増えているので、これからも両方とも増えるように努力していきたい」

 併願率が最も低いのは126%の学習院大。センター利用入試などは導入していない。

「本学で問題作成から採点までを丁寧に行っている。入試では高校での学びがきちんと身についているかを確認し、その基礎を大学での学びにつなげようとしている」(広報担当者)

 駿台教育研究所進学情報事業部の石原賢一部長は、特定の学問領域を扱う単科大学よりも、学部が複数ある総合大学のほうが併願率が高まりやすいと指摘する。

「センター利用入試を導入していない大規模な大学では併願率は150%ぐらい、導入していれば200%ぐらいが目安になる。関西では、試験日自由選択制度や全学部統一入試などを取り入れている大学が多く、併願率が比較的高く出ている」(石原氏)

 実志願者数はこれまで、積極的には公表しない大学が目立っていた。実志願者数の定義が固まっておらず、「公表することで誤った認識を与える可能性がある」(関東の私大)ことなどが理由だ。それでも情報公開の一環として、公表に踏み切る大学は増えている。

駒澤大や国士舘大は、今回は非公表だが、来年度以降の公開を検討したいという。

 実際に何人が志願したのかは受験生だけでなく、親や関係者にとっても大きな関心事。今後は公表の流れが強まりそうだ。(本誌・吉崎洋夫)

*募集人員・のべ志願者数は大学通信調べ。主要な私立大学約100校を調査し、センター利用入試を含む一般入試のみのデータ(2部・夜間主コース等を含む)。数字は3月31日時点。実志願者数は主要な私立大に編集部が問い合わせた。センター利用入試を含む一般入試(2部・夜間主コース等を含む)について、同じ志願者は複数併願しても1人として集計した。併願率はのべ志願者数を実志願者数で割った。実志願倍率は実志願者数を募集人員で割った ※同志社大はセンター利用入試を含まない一般入試の実志願者数(25,800人、前年比102%)を公開した

※週刊朝日 2018年5月4−11日合併号
[AREAdot. 4/25(水) 7:00配信]

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