最新大学受験・教育ニュース

2018/09/26
東大2021年度出願要件、英語「CEFRのA2レベル以上」民間試験必須とせず
東京大学は2018年9月26日、2021年度一般入試の出願要件について発表した。出願資格は「CEFR対照表のA2レベル以上」に相当する英語力とし、英語民間試験の成績の提出は必須とせず、民間英語試験の成績または同等の英語力があると明記された調査書の提出を求める。またどちらも提出できない場合は理由書を提出する。

 「A2レベル」は、A1からC2までの6レベルの下から2番目で、実用英語技能検定(英検)の準2級から準2級に相当する。

 大学入試センター試験は2020年1月の実施を最後に廃止され、2021年1月に「大学入学共通テスト」が始まる。文部科学省が2017年7月に公表した「大学入学共通テスト実施方針」では、高等学校学習指導要領における英語教育の抜本的改革を踏まえ、大学入学者選抜においても、「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能を適切に評価するため、一定の評価が定着している民間試験を活用することとされた。

 東京大学は、2021年1月に実施予定の大学入学共通テストにおける英語認定試験の活用について検討するため、入試監理委員会の下に「入学者選抜方法検討ワーキング・グループ」を設置し、2018年7月14日にその答申をWebサイトで公開した。

 「高等学校卒業段階で、A2レベル相当以上を達成した高校生の割合を5割以上にする」という第3期教育振興基本計画の目標設定に合わせて、2021年度一般入試では、CEFRのA2レベル相当以上を出願要件とする。そこで、従来の出願要件に加え、「大学入試センターによって『大学入試英語成績提供システム』の参加要件を満たすと確認された民間の英語試験の成績(CEFRのA2レベル以上)」「CEFRのA2レベル以上に相当する英語力があると認められることが明記されている調査書など高等学校による証明書類」「民間の英語試験の成績、証明書類のいずれも提出できない者はその事情を明記した理由書」のうちいずれか1つの書類を提出する。3つのうちいずれかの提出がなければ出願が受理されないが、受理された後は合否判定の資料としては用いない。

 民間の英語試験の活用について、公平・公正という観点からも実施の観点から、多くの課題が未解決のまま残されていることから、大学入学共通テストについて文部科学省、大学入試センター、大学、民間事業者の法的責任関係を明確化することと、公平・公正性に影響する事態を想定した具体的な対処方針を示すことの2点を要望する総長名の文書を、9月10日付で文部科学大臣宛に提出した。東京大学としては、出願要件の変更や追加は受験生にできるだけ早く周知すべきとの観点から、認定試験の成績提出を少なくとも選択肢のひとつとして採用することは可能であろうという結論に至ったという。

 高等学校の調査書などの活用について、個々の受験生の英語力についていちばん正確に把握しているのは、高等学校の現場で日常的に指導にあたっている先生だと考えられることから、受験生の英語力に関する必要な情報が記載されていれば、認定試験を受検していなくても、出願資格を判断する材料としては十分であるとした。

 例外措置について、事故や病気など何らかの事情で予定していた認定試験が受検できない、高等学校を卒業して何年かを経てしまったために、調査書に英語力に関する記載が得られないなどを考慮し、事情を説明する「理由書」を提出することとした。

 2021年度入試の出願要件に関する詳細は、2018年12月ごろを目途に公表予定。なお、2022年度入試における出願要件については、2019年7月に公表予定。
[リセマム 2018.9.26 Wed 14:15 ]
2018/09/25
合格可能性や予想偏差値がわかる、東進「全国統一中学生テスト」11/4
東進は2018年11月4日、東進ハイスクール・東進衛星予備校・東進中学NETの各校舎や特別会場にて「全国統一中学生テスト」を開催する。受験料は無料。受験学年部門の成績優秀者は、11月25日に行われる決勝大会に出場できる。

 東進が実施する「全国統一中学生テスト」は、中学生を対象とした模試。学力を測るだけでなく、自分の弱点ややるべき課題が明確になり、学力を伸ばすヒントが得られるという。

 試験実施後は、当日にWebサイトにて解答解説集を、7日後から1か月の間に受験した校舎の窓口にて「君だけの診断レポート」を、9日後の11月13日より東進ドットコムにて復習ツール(講評・リスニング音声)を提供する。「君だけの診断レポート」では、全国での自分の立ち位置のほか、各都道府県の公立高校の合格可能性や大学入試を想定した予想偏差値など、自分の学力を詳しく知ることができ、成績を伸ばすための学習法のアドバイスももらえる。合格指導解説授業の受講も可能で、詳細は受験校舎に問合せが必要。

 受験部門は、受験学年部門・中2生部門・中1生部門の3つ。科目はいずれの部門も英語・数学・国語の3教科。受験学年部門は難関高校入試レベルで、意欲ある中2生・中1生も受験可能。

 なお、受験学年部門での成績優秀者は、11月25日に行われる決勝大会に出場できる。決勝大会進出選定基準は、英・数・国の600点満点で、中3生の上位50名、中2生の上位30名、中1生の上位30名が選出される。決勝大会成績優秀者には表彰状を授与し、東進ドットコム上で公表する。

 受験料は無料。申込みは、東進のWebサイト「東進ドットコム」にて受け付けている。インターネットからの申込みの場合、締切りは試験実施3日前。以降の申込みは、各会場に確認が必要。

◆全国統一中学生テスト
日程:2018年11月4日(日)
会場:東進ハイスクール・東進衛星予備校・東進中学NET各校舎、特別会場(大学やホールなどの外部会場)
対象:中3生・中2生・中1生
締切:インターネットでの申込みは試験実施3日前
※以降の申込みは各会場に確認が必要
受験料:無料
申込方法:東進のWebサイト「東進ドットコム」から申し込む

<決勝大会>
日程:2018年11月25日(日)
会場:京王プラザホテル新宿(東京都新宿区西新宿2丁目2-1)
※会場までの交通費および遠方の者の宿泊費を支給する
[リセマム 2018.9.20 Thu 18:45 ]
2018/09/22
子供への投資を惜しまない 高学力国・シンガポールの教育法
アジアの富裕層がシンガポールに集まりつつある。目的のひとつは、この国の「教育」だ。シンガポールは驚異的な“高学力国”。15歳児を対象にした国際学力テストでは、調査対象の3分野すべてで世界首位となった。どんな教育が行われているのか。現地在住のファイナンシャル・プランナー、花輪陽子氏が解説する――。

■数字で分かるシンガポールの学力の高さ

英国の教育専門紙が2017年9月に発表した「世界大学ランキング」によると、シンガポール国立大学は全世界の大学の中で22位とアジア首位に位置しており、日本の最高峰である東京大学(46位)より高い順位になっています。

また15歳児を対象にした国際学力テスト(PISA 2015年)では、シンガポールが科学的リテラシー、読解力、数学的リテラシーの3分野すべてで世界首位。一方、日本は科学的リテラシー2位、読解力8位、数学的リテラシー5位でした。

これだけ学力が高い理由は、国家予算の約20%を教育に投じている(日本は5.5%)うえに、各家庭でも子供への教育投資を惜しまない文化があるからです。

シンガポール国民の多数を占める中華系には「倹約をして、次世代のために惜しみなく投資をする」という言葉があります。明晰な頭脳を手に入れることができれば、お金は後から作ることができるという考え方なのです。シンガポールの政治家で初代首相を務めたリー・クアンユーも「シンガポールの最大の強みは人材」と考えており、教育のゴールは国を作る指導者や管理職の確保で、早期から成績別で生徒を選別して学校のコースを分けています。

■幼少期から英語と中国語のバイリンガル教育

ローカルの保育園や幼稚園でも幼少期から英語と中国語のバイリンガル教育は当たり前でAI時代に欠かせないプログロミング教育が充実している学校もあります。4歳児からそろばんを習ったり、中国語の書き取りの宿題が出たりして親も大変ですが、日本人の家庭で育った子供でも中国語が話せるようになります。

ローカルの保育園の料金は月10万円前後で、朝7時から夜7時までといったように長時間預かってもらうこともできます。追加料金を払えば、バレエや音楽の授業を受けられる園もあるほどです。両親が仕事をしている間にしっかり学習をさせてくれるので安心して仕事に専念できるのです。

『「学力」の経済学』(中室牧子著、ディスカヴァー・トゥエンティーワン)によると、「もっとも収益率が高いのは、子どもが小学校に入学する前の就学前教育(幼児教育)」とのことです。早期に得たスキルやしつけなどはその後の人生で長い間役に立つことになるからです。

ベースになる語学に関しては早期から行うほうがそのスキルを活かしてディスカッションやプレゼンテーションをしたり、論文を書いたりするなどの機会が増えます。実際にシンガポールで教育を受けている4歳のわが子も英語と日本語のバイリンガルで、日常会話は両言語で支障なく話せます。中国語も簡単な単語などは話すことができています。

また、大人と対等な会話をするようになるので子供を日本に連れて行くと驚かれることがよくあります。1歳からシンガポールで育っているので、日本語を話すものの感覚が半分外国人だからでしょう。

■2歳児の英語力は「天気について話し合う」レベル

日本でも2020年の教育改革が話題になっていますが、それでも語学教育などかなり後れを取っていると言わざるを得ないでしょう。「天気について英語で話し合う」といった基礎的な英語は、シンガポールの教育では2歳児レベルの内容なのです。3歳児くらいからは歌などで中国語も学びます。シンガポールでは英語と中国語をベースにして、これからどうやってIT教育を行っていくのかを議論している段階です。すでにIT教育のプログラムも幼児教育の中で実践しています。

「AI時代の教育について」がテーマの保護者と学校との会合や富裕層の会員クラブの催しに参加したことがあるのですが、「弁護士も職を失うAI時代にどのようにして子供たちを育てていけば良いのか」について、世界中から来ている人々が活発に意見を出し合い、議論をしました。シンガポールの魅力の一つに“ダイバーシティ”があります。

今すぐ解決できないような問題を、世界中からシンガポールにやってきた人たちと話し合って考えることが可能になります。また、シンガポールにある私立校は特に教育改革のスピードが速く大胆な改革を頻繁に行います。日本の教育は元々シンガポールより遅れている上にゆっくりしか変わっていかないので、今後はさらに後れを取るように感じます。

シンガポールでは小さな頃から読み聞かせを行い、小学生低学年では英語のペーパーブックを朗読するレベルになっています。中国語に関しても中華系が多いシンガポールでは家庭教師を雇うことも容易なので、両親が中国語を話さない家庭でも努力次第で習得が可能です。そうした魅力から日本も含めて世界中から親子留学が急増しているのです。特に中国やインドからの母子や親子留学が多いです。シンガポールは治安も良く、祖国からのアクセスも良く、教育レベルが非常に高いという理由が挙げられます。シンガポールにあるインター校(外国人向けの私立校)の教育は「与えられたテーマに対して子供たちが調べてきて発表する」というスタイルです。ローカル校は日本と同様の詰め込み式で、「優秀なロボットを作る教育だ」と揶揄されることもあるものの、早期からの語学や理数やIT教育などは進んでいます。

■外国人向けのインター校は東京よりも充実

シンガポールは東京23区と同程度の国土に20校以上のインター校があります。教育熱心な家庭が多く、教育のレベルは非常に高い。また、多くの学校では日本人の割合が非常に低く、子供も英語を話さざるを得ないため、英語力が自然と身につきます。ほとんどの学校からスクールバスが出ており、遠くても1時間以内で通学できるため、選択肢はとても多くなります。

日本には英語で授業を行うインター校が20校以上あります。しかし東京都内のインター校は10校(世界共通の大学入試資格である国際バカロレア(IB)の認定校数、一条校を除く)とシンガポールより少なく、また都内(23区外を含む)の面積はシンガポールより広いので、東東京から西東京までバスで移動ということはむずかしいでしょう。そのため、自宅から通える範囲で考えると選択肢は限られます。また、日本人の割合は全体で約4割と高くなります。

日本では、学校の受け入れ以上に希望者が多いので全ての人が希望の学校に入れるわけではありません。シンガポール同様に富裕層の多い香港も学校の受け入れが需要に追いついておらず、希望校に入るのが非常に難しいと聞きます。その点、シンガポールでは学校の数も多いので、希望に近い学校を選ぶことが可能になります。

シンガポールではさまざまな国の駐在員が生活しているため、日本、米国、オーストラリア、カナダ、インドなど、多くの国の学校があります。とはいえ、かつて英国領だったこともあり、シンガポールでは英国系インター校が目立ちます。

国際バカロレアとそれにつながる小・中・高校生の教育プログラムを取り入れたスクールも多く、さまざまな国の大学試験制度に対応も可能です。

■多様な発想を生み出す教育

インター校の多くは3歳前後から18歳までの一貫制で、大学入試までは受験の心配もないため、のびのびと好きなスポーツや音楽、アートなどに打ち込むことができます。語学教育は英語に加えて中国語かスペイン語を第二外国語で低年齢から学べる学校が多いです。

また、放課後のアクティビティーも充実しています。多いところでは数百のアクティビティーを用意しており、学校側も家庭もそれを全力でサポートをします。

日本の教育は均質的な人材を育成することに優れていますが、シンガポール、特にインター校の教育は多様な発想が出てくるようなスタイルです。夏休みも2カ月程度と長く、その間にキャンプや自然体験といった体験型の学習を提供する学校もあります。

■「日本の公立校と同程度」の金額で教育を受けられるケースも

子供にシンガポールで教育を受けさせる場合、現地の公立校に通わせるか、インター校に通わせるかで、大きく金額が変わってきます。

公立校の場合、シンガポール国民と永住権保有者(PR)が、学費や学校の選択の面で優先されます。永住権を保有できれば、日本でオール公立コースとそれほど変わらない金額で、公立校に通わせることができます。英語と中国語の教育を受けられることを考えるとローカル校も魅力的です。外国人価格の場合でも日本で私立学校に通わせる程度の金額になります。ただし、ローカルスクールはシンガポール人が優先されるので、好みの学校を選ぶのは難しいです。

インター校の学費は年約250万円(ホリデープログラムなどを除く)で、日本のインター校と同程度になります。インター校の中でも日系の学校は金額が安めです。また、最近は割安授業料をうたうインター校が複数できたので、選択肢も広がりました。一部の名門校ローカル校では留学生向けのローカルインター校を用意しています。ローカルインター校も一般的なインター校より学費が安めです。

■MBA取得の費用も欧米の半額程度

幼少期から母子もしくは親子留学でとなると学費や生活費がかさみますが、中学生程度の年齢からは、子供だけで留学ができるインター校やローカルインター校もあります。

MBA取得にかかる費用は500万円程度からで、欧米の学校に比べると半額程度となっています。大学院からシンガポールで学び、そのまま就職するという道もあるでしょう。就職をするのも欧米と比べると比較的簡単です。私の夫も働きながらエクゼクティブMBAコースで学んでいますが、平均年齢も高く社会人の学び直しにはとてもよいようです。ここでしか手に入らない人脈、チャンスがあるので、人生のどこかのタイミングで海外に出て学ぶという選択肢も入れるとよいのではないでしょうか。
[livedoor news]
2018/09/21
ノーベル賞受賞が期待される研究者発表、17名中1名は日本人
科学情報企業のクラリベイト・アナリティクスは2018年9月20日(日本時間)、学術論文の引用データ分析からノーベル賞クラスと目される研究者を選出する「クラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞」を発表した。17回目となる2018年は、日本人研究者1名を含む17名が受賞した。

 クラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞は、過去20年以上にわたる学術論文の被引用数に基づき、各分野における高インパクト論文(通常1,000回以上の引用)を選定。その後、ノーベル委員会が注目すると考えられるカテゴリ(医学・生理学、物理学、化学、経済学)に振り分け、各分野で特に注目すべき研究領域のリーダーと目される候補者を決定する。2002年よりノーベル賞に先駆けて発表するのが恒例となっており、これまでに46名が実際にノーベル賞を受賞している。

 2018年は17名が受賞。日本からは、医学・生理学分野で京都大学化学研究所 特任教授の金久實氏が「KEGG(Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes)の開発を含むバイオインフォマティクスへの貢献」において受賞した。

 なお、過去にクラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞を受賞した日本人研究者のべ26名のうち、山中伸弥氏は2012年にノーベル医学・生理学賞を、中村修二氏は2014年にノーベル物理学賞を、大隅良典氏は2016年にノーベル医学・生理学賞をそれぞれ受賞している。
[リセマム 2018.9.21 Fri 12:45 ]
2018/09/20
北海道地震、383校で屋根や壁など破損
北海道胆振東部地震により、2018年9月19日午後4時時点で公立学校292校と私立学校87校、国立学校4校の計383校の施設で校舎の屋根や壁、窓ガラスなどの物的被害があったことが、文部科学省の調査結果より明らかになった。

 北海道胆振地方を震源とする地震が2018年9月6日午前3時8分に発生した。最大震度7を厚真町で観測。安平町やむかわ町では震度6強、札幌市東区と千歳市、日高町、平取町では震度6弱だった。

 文部科学省が発表した被害情報によると、9月19日午後4時時点で、公立学校292校と私立学校87校、国立学校4校の計383校の施設で校舎の屋根や壁、窓ガラスなどが破損していることが明らかになった。公立学校292校の内訳は、小学校145校、中学校79校、高校52校、特別支援学校12校、中等教育学校1校、大学1校、ほか2校。

 避難所となっている学校は、9月19日時点で公立小学校2校と公立中学校1校。なお、9月18日より、臨時休校となっている北海道内の公立学校はない。
[リセマム 2018.9.20 Thu 11:45]
2018/09/19
日本の大学が世界ランキングで低位に甘んじている本当の理由
昨日「アメリカで就職に困らないブランド公立大学極秘リスト」という記事を書きました。そしたら読者の方々から「UW、UTオースチン、コロラド大学ボルダーが抜けている!」という指摘を受けました。

UWとはシアトルにあるユニバーシティー・オブ・ワシントン、UTオースチンはテキサス大学オースチン校の略です。

ご指摘の通り、これらの大学はとても良い大学であり、地域経済の好調と相まって、いま飛ぶ鳥を落とす勢いです。

だからリストに載せなかった理由は、ただ単に一般論としてこれらの大学は「ティア・スリー」、すなわち「パブリック・アイビー」と呼ばれる、アイビーリーグ級の公立大学でも「第一集団」、「第二集団」ではなく「第三集団」に属すると考えられているからです。

さて、そういうとなんだかヘンにランキングにこだわるようで、僕自身、そういう分類方法はナンセンスだと思うし、ランキングの情報を見る時は注意が必要だと思います。

今日は、ちょっとその話を書きます。

世界の大学ランキングを論じる時、よく日本人の間で話題となるのは「何でこのリストには日本の大学が入ってないの? これって欧米偏重主義じゃん?」ということです。

そういう話を振られるたびに僕は「いや、そうじゃない。それは評価尺度が違うからだ。彼らの尺度からすれば、実際、日本の大学は箸にも棒にもかからない」と答えることにしています。

それでは一体、「その評価尺度って、何?」ということですが、これはわかりやすく言えば学術論文の量と質です。欧米の、とりわけリサーチ・ユニバーシティーと呼ばれる大学は、学術論文の量と質を確保するために「最適化」されています。

これに対し、たとえば日本の早稲田とか慶應は、いわゆるティーチング・ユニバーシティーとても言えるでしょう。つまりそこで重視しているのはインストラクション、すなわち「指導」、もっと平たく言えば講義そのものということです。

アメリカのリサーチ・ユニバーシティーの概念は、南北戦争の前に設立された歴史の古い大学、具体的にはハーバード、イェール、コロンビア(当時はキングス・カレッジと呼ばれていました)、プリンストン、ペンシルバニアの各大学と5つの公立大学、具体的にはミシガン、ウィスコンシン、ミネソタ、イリノイ、そしてカリフォルニアがルーツとなっています。それに加えて歴史はそれらより僅かに短いけれど、設立当初からリサーチを徹底的にやる目的で作られたMIT、ジョンズ・ホプキンズ、スタンフォード、シカゴ、コーネルの各大学を含めた15の大学ならびに大学システム(=UCはいろいろ分校があるから)を総称して元祖リサーチ・ユニバーシティーと言います。

リサーチ・ユニバーシティーになるためには基礎研究を活動の柱とし、大学院が充実していることが必要ですが、それと同時に「外部収入(external income)」が占める割合が大きいという特徴があります。

この外部収入とは研究開発費を外部からひっぱってくるという意味です。たとえば医療の分野では大学での研究開発プログラムは大学そのものの予算から捻出される割合は低く、国立衛生研究所(NIH)からグラント(Grant=研究助成金)を獲得する必要があります。

だからリサーチ・ユニバーシティーではプログラム・ディレクターと呼ばれる役職の人が一番威張っています。プログラム・ディレクターはたとえば「超伝導」の研究なら、その研究プログラムの総責任者を指します。たんなるプロフェッサー(=博士)ではなく、外部から研究資金を引っ張ってくるファンドレイザー、つまり今風に言えばクラウド・ファンディングの発起人みたいな役回りです。そういう言い方でピンと来ないなら、営業本部長みたいな役目だと思えば良いでしょう。プログラム・ディレクターは「なぜこれから我々がやろうとするこの研究に、あなたはスポンサーとしておカネを出すべきか?」ということを先ずレポートにします。NIHの予算はアメリカの連邦政府の予算から捻出される関係で、政府の予算カットなどの対象になります。するとプログラム・ディレクターは議会の予算委員会のメンバーの議員などに直接働きかけて、「この予算を削らないで下さい!」と説得することもしょっちゅうあります。

つまりプログラム・ディレクターは「レインメーカー(rain maker)」、すなわち天に祈り、雨乞いをすることで実際に雨を降らせ、乾いた土地を潤わせ、豊作にするrevenue responsibility(収入確保責任)を負っているのです。プログラム・ディレクターが外部から研究開発予算を引っ張って来なければ「無能!」のレッテルを貼られます。

もちろん、NIHのような公的な予算だけでなく実業界からもおカネを出してもらいます。たとえば物理学の研究はロッキード・マーチンなどの防衛産業からお金が出る場合がありますし、地質学なら石油会社がプログラムのファンディングを助けるといった具合です。

つまりリサーチ・ユニバーシティーはそういう民間企業にとって大いに利用価値があるR&Dだけど、今日・明日の新製品開発には直接カンケーない基礎研究をやるところなのです。それにカネを出している民間企業と大学のプログラム・ディレクターはもちろん太いパイプでつながっているし、プログラム・ディレクターの下で研究開発にいそしんでいる学生が就職先を探すときは「あんた、ロッキードに行きなさい!」と就職支援をするわけです。自分の教え子がロッキードに居れば、将来、プログラム・ディレクターの仕事は一層ラクになります。なぜなら恩を売ることになるから。

このようにリサーチ大学にはmover and shakerと呼ばれる、研究資金獲得のスーパースターたちが割拠しており、あたかも彼らの封土(fiefdom)のような「オレサマの世界」を構築しているのです。もっとざっくばらんに言えば、自分でカネを引っ張ってきて、そのカネで自分の好き放題研究するということ。

よくある「QS」とか「Times」とか「US and World News」とか「上海ランキング」などの大学ランキングは、程度の差こそあれ、学術論文の量と質、そしてそれらの論文が他の大学の研究者にどれだけ引用されているか? というような尺度を評価基準に盛り込んでいます。

これは基礎研究の強さを測る重要な指標なので、それを盛り込むのが「わざと欧米のランクが上がるように偏っている」と批判しにくいと思います。むしろいままでリサーチ・ユニバーシティーの育成に力を入れて来なかった日本の教育行政の大きな欠陥だと捉えるべきではないでしょうか?

これから経済のソフト化、ハイテク化、知識集約化はどんどん加速します。その場合、基礎研究を重視しない日本の教育界の風土が、日本という国の国際競争力に悪い影響を与えるのではないか? と思うと心が曇ります。

日本の大学の世界ランキングでの地位の低さは偶然とか欧米のひん曲がったご都合主義の尺度でそうなったのではありません。

日本のランキングが低いのは、日本の大学がショボいからです。

早く目を覚ませよ、いい加減!
[livedoor news 2018年09月16日 17:40]
2018/09/18
【大学受験】6割以上の地方の受験生、大学受験の諸経費が「負担」
地方の受験生の65.5%が、受験料以外の交通費や宿泊費などを「とても負担」「やや負担」と感じていることが、シンドバッド・インターナショナルが2018年9月18日に発表した調査結果より明らかになった。

 「受験にかかる費用に関するアンケート調査」は、首都圏・関西圏など都市部の大学を受験する予定、もしくは受験を経験した地方の受験生を対象に実施したもの。有効回答は139名。調査期間は2018年8月24日〜9月2日。

 受験料以外の交通費や宿泊費など諸経費の支出について、「とても負担」35.3%が最多。「やや負担」30.2%と合わせて65.5%が負担に感じていた。「普通」12.9%、「それほど負担ではない」15.1%、「まったく負担ではない」5.8%であった。

 交通費は、「1万円以上〜3万円未満」25.9%がもっとも多く、「5,000円以上〜1万円未満」「5万円以上〜10万円未満」各18.0%、「5,000円未満」13.7%、「3万円以上〜5万円未満」12.9%、「10万円以上」7.9%と続いた。
宿泊費は、「1万円以上〜3万円未満」18.7%、「3万円以上〜5万円未満」12.9%、「5,000円以上〜1万円未満」「5万円以上〜10万円未満」各12.2%など。「10万円以上」という回答も5.8%あり、合わせて30.9%が「3万円以上」であった。

 宿泊施設を決める際に不安に思うことを聞いた質問では、「受験会場までの交通の便」65.8%がもっとも多かった。見知らぬ土地で遅刻厳禁の受験に挑むにあたり、迷わず会場まで行けるか、どのくらい時間がかかるかなどを不安に思っているようだ。

 遠方の受験生向けにあったら便利だと思うサービスとして、「地方会場での受験」と48.9%が回答。入試だけでも緊張や不安が付きまとうため、慣れた地方開催の受験会場が増えることが期待されている。
[リセマム 2018.9.18 Tue 15:45 ]
2018/09/15
全教「全国学力テストは直ちに中止すべき」…4割の学校で事前に特別な指導
全日本教職員組合(全教)は2018年9月12日、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)実態調査アンケートの集計結果を発表した。2018年に実施した全国学力テストでは、44.4%の小中学校で事前の特別な指導を行っていることが明らかになった。

 全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)実態調査アンケートは、2018年度の全国学力テスト実施状況について、全教・教組共闘連絡会が各都道府県組織を通じて各分会組織にアンケートを依頼し、代表者が回答。626校(小学校381校、中学校228校、そのほか10校、無回答7校)の回答を得た。回答のあった都道府県・政令市は、21都道府県・9政令市・228市区町村。調査期間は、2018年4月から6月。

 全国学力テストを実施するにあたり、事前の特別な指導を行った学校は、小学校で52.0%、中学校で32.9%、全体で44.4%にのぼる。事前の特別な指導を行った学校の具体的な指導内容は、「過去問題の指導をした」73.0%(小学校73.7%、中学校72.0%)、「春休みや4月に全国学力・学習調査を想定した宿題を出した」40.6%(小学校42.9%、中学校34.7%)、「全国学力・学習調査を想定した授業を行ったり予想問題を作成したりして指導した」14.0%(小学校15.7%、中学校10.7%)など。

 全国学力テストの結果がどのように利用されているか聞いたところ、「学校で解答をコピーし、独自に採点・分析している」34.7%(小学校37.8%、中学校30.7%)、「独自に採点はしていないが、分析している」30.7%(小学校31.2%、中学校30.3%)、「学校の平均点をWebサイトや学校便りなどで公表」18.4%(小学校17.6%、中学校20.6%)、「学級ごとの平均点をWebサイトや学校便りなどで公表」1.0%(小学校1.3%、中学校0.4%)。一方、「学校独自の利用は行っていない」は17.7%(小学校12.6%、中学校26.8%)だった。

 全国学力テストや自治体独自の学力テストの実施が及ぼす影響は、「出題傾向にそって、事前に指導をした」22.5%(小学校25.5%、中学校18.4%)、「実施する教科の授業の進度や学習単元の順を変更した」11.5%(小学校9.4%、中学校14.9%)、「実施する教科の授業時間数を増やした」9.3%(小学校12.3%、中学校4.8%)などの歪みをもたらしている。

 具体的には、「年度初めの多忙な時期に大変な作業量が求められる。授業スタートが技能教科など一週間遅れた」(中学校)、「異様な緊張感がある。学校ごとの順位は出さないのかと保護者からの問い合わせあり」(小学校)、「問題になれていないため、自信をなくす児童が多い。春の希望の雰囲気がいっぺんにふっとぶ。楽しい学校がみんなでつくれない」など、教職員や児童生徒に大きな負担となっていることが明らかになった。

 全教は、「今回の調査で、あらためて、『全国学力テスト』の実施と結果の公表が本来の学力とは無縁の点数獲得競争に子どもと教職員を駆り立て、本当の意味での学力が歪められていることが明らかとなりました。『全国学力テスト』は直ちに、中止すべきです。全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析することは数年ごとの抽出調査でも可能です」とコメントしている。
[リセマム 2018.9.14 Fri 12:45 ]
2018/09/14
私大、多くの学部系統で入学金減少…2018年度学費平均額
旺文社教育情報センターは2018年9月10日、大学進学情報として2018年度学費平均額を公表した。公立大学(地域内・外)と私立大学について学部系統別の初年度納入額平均額をまとめている。私立大学のほとんどの学部系統で入学金が減少しているという。

 旺文社は、進学情報誌「螢雪時代8月臨時増刊」(7月14日発売)において、全国の大学を対象に調査を実施し、2018年度の学部系統別の初年度納入金平均額を算出した。初年度納入金は、入学金や授業料、施設費、実習費、諸会費など1年次に支払う学費全体を指す。

 国立大学は、文部科学省の決めた標準額の20%を限度に、各大学が入学金と授業料を決定している。2018年度はどの国立大学・学部も文系・理系を問わず、標準額の通りに設定している。

 公立大学は、大半が授業料を国立大学と同額に設定している。入学金は各大学で幅広く、地元出身者(地域内)には低く設定している大学が多い。たとえば、法学部の入学金平均額は地域内が18万7,275円、地域外が35万1,367円と、16万円程度の差がある。医学部は地域内が25万625円、地域外が55万5,571円、歯学部は地域内が28万2,000円、地域外が52万円と、20〜30万円程度の差があり、ほかの学部と比べて差が大きい。

 私立大学は、学部系統よって大きく異なる。初年度納入金平均額がもっとも低い法学部ともっとも高い医学部では、約605万円もの差がある。学費の高い学部系統は、実験や実習があること、そのための専用の施設が必要であること、芸術系統などでは少人数や個別の指導が行われることなどが影響しているという。

 初年度納入金平均額の昨年比をみると、公立大学は地域内・外ともに入学金が減少している学部系統が多い。特に、教育・教員養成系の地域外と家政・生活科学部の地域内では大幅に減少した。私立大学は、医・歯学部を除き、全学部系統で入学金が減少。家政・生活科学部は、入学金・授業料ともに減少したことにより、初年度納入金も減少した。一方で、授業料大幅アップにより、教育・教員養成系、法、経済・経営・商、歯学部では初年度納入金も大幅にアップした。

 旺文社では、学部系統をさらに細かく70の「分野」に分類し、分野別の学費平均額もまとめている。たとえば、私立大学の「農・獣医畜産・水産学部系統」は同系統でも、「獣医学」と「水産学」の初年度納入金平均額には約73万円の開きがあるという。各大学の実際の学費は「螢雪時代8月臨時増刊」に掲載されている。
[リセマム 2018.9.12 Wed 15:45]
2018/09/13
国立で初、東工大が授業料値上げ…標準額上回る
東京工業大は13日、来春以降に入学する学部生と大学院生を対象に、年間授業料を9万9600円値上げして63万5400円にすると発表した。国立大の授業料は文部科学省が示す標準額(53万5800円)を参考に独自に決められるが、学部ではすべての国立大が標準額としている。学部の値上げは東工大が初めてで、記者会見した益(ます)一哉学長は「他大と一線を画した教育改革を進め、教育内容や環境を充実させる」と述べた。

 発表によると、学部生(定員計約1100人)は来春から、大学院の修士課程(同1500人)、博士課程(同500人)は来年9月入学者以降、値上げを適用する。現在、在籍中の学生には適用されない。

 東工大では、値上げで得た資金により▽世界的な研究者の招聘(しょうへい)▽日本人学生の海外留学支援の拡充▽早い段階で高度な研究内容に触れさせる機会の創出――などの教育改革を行うとしている。
[読売新聞 9/13(木) 12:36配信 ]

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